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奥多摩ロープウエイ:ノスタルジー

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東京都の水瓶、奥多摩湖の着工は昭和13年にまで遡る。第二次世界大戦前であり、東京都はまだ東京府という行政区画だった。その後19年の歳月をかけ、竣工は昭和32年。当時、水道貯水池としては世界最大規模を誇る。

奥多摩ロープウエイ、正式名称「川野ロープウエイ」は、戦後の高度経済成長を背景に昭和37年、湖上遊覧等を目的として営業を開始した。

奥多摩ロープウエイの川野駅は国道411号側、三頭山口駅は奥多摩湖を挟んで奥多摩周遊道路の少し上にある。距離600メートル、高低差僅か60メートル程しかない、金を払ってまで乗る必要があるか?と疑問を抱くスケールの小ささだ。事実、奥多摩湖を横断する橋が架けられてからは、急速な衰退を辿ることになる。実質営業期間は僅か5年に満たない。

昭和41年12月、奥多摩ロープウエイは冬季休業に入り、そのまま二度と運行開始されることはなかった。正式に運行休止申請されたのは昭和50年になってから。休止となっているのは、どうやら運航再開も視野に入っていたらしいのだが...。奥多摩ロープウエイの事業者は小河内観光開発株式会社。すでにこの会社は無く、経営責任者の消息も不明。

国道411号を奥多摩湖沿いに丹波山村方面へ向かって走ると、深山橋の手前で湖上を横断する鉄索に気づかされる。気にしていなければ電線かと思って見過ごすものだが、これが奥多摩ロープウエイの索道である。長年放置され腐った鉄索はいつ落ちるかと心配になるが、法的問題、費用の問題で著しく危険な状態にでもならなければ撤去できないらしい。

川野駅には、愛らしい顔の腐ったゴンドラが今も動かず置かれていた。錆びついた機械が暗く湿った機械室に放置され、廃墟マニアの物好きがたまに進入してくる以外は誰の目にも晒されず、いつか取り壊される日を待つのみだろう。

川野駅の手前にテニスコートがあるが、テニスに来た人はこのぼろぼろの建物を見て「あれ何?気味悪い」とか思っているのかな。

【GPS】

WGS84 N35'46'38.9 E139'00'13.3

2007年3月26日