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車中泊EXPRESS

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車中泊の危険・豪雪:車中泊道中記・雑記

2005年度の冬は豪雪で幕を開けた。秋山郷の孤立、乳頭温泉郷での雪崩事故、そしてこれを書き始めた時に銀山温泉で雪崩フェンスを越えて民家まで雪崩が侵入したというニュースまで飛び込んできた。また、やはりというかなんというか、2006年新年早々にスキー場で車中泊男性の排気ガス中毒死亡事故があったという。

そんな状況でありながら、「雪の白川郷に行きたい!」と強く思い込んでしまったわけで...。

出発は2月の初旬。長野県に入ってからは雪はやむことなく、スノーブレード必須の状態。ちょっと寄る所があったので、松本-安房トンネル経由ではなく、岐阜市側、東海北陸自動車道を利用してのアプローチだ。荘川ICを降りて国道158号に取りついたのはもう暗くなり始めてからで、雪はますます強く降りしきっていた。

左右が雪の壁となった曲がりくねった道は降りしきる雪で視界も悪く、また前を走る車がとろとろだったので行程ははかどらない。まあ、急ぐ理由もないので焦りもなかったのだが、ここで先行きを暗示するようなちょっとしたアトラクションが...。

登りから下りに変わるコーナーで、前の車がするっと横にスライドした。あれ、と思う間もなくそのままするするすると半回転、こっちを向いてあらこんにちは。車間を空けていたので問題はなかったが、もし道程を急いで煽るように車間を詰めていたら...。また、車間を空けていても対向車が来て前の車がこっちにはじき飛ばされて来たとしたら...。回転している時に見たが、タイヤはラダー型チェーンを装着。常時積雪地域に来るのだから、亀甲型チェーンかスタッドレスにした方がいいだろうと思う。さすがに後ろに何台も列ねて走るのは怖くなったか、前の車は道路端に避けて抜かせてくれた。

そんなこんなで「道の駅 白川郷」に到着したのは夜8時をまわった頃。毎日除雪しているのだろうが、この時点で路面の積雪は10cm程あった。気温は道中の最低でもマイナス8度程度だったので、極寒というわけでもなく車中泊にも問題ない。

ところで、降雪時期の車中泊で留意しなければいけないのは、除雪作業の問題。スキー場の駐車場だと深夜に除雪車が走り回り、うるさい上に場所を移動させられることもあるが、道の駅はだいたい朝の8時〜9時くらいに作業を開始するようだ。除雪作業が始まったら、頃合いを見計らって作業の邪魔にならないように移動しなければならない。無視を決め込むと激しくクラクションを鳴らされることもあるので、早寝早起きを心がけるべきだろう。

さて、雪もしんしんと降り続け、コンビニ弁当を食ったらもうすることは何もない。用心のため車の周囲を除雪しておき、10時頃には就寝した。

翌日、起床は午前5時ちょっと過ぎ。布団の中はぬくぬくだが、抜け出すのにはちょっと気合いが必要だ。雪がなければとりあえずエンジンをかけて暖まるまで布団の中で待つところだが、夕べの激しい降りを考えると、さすがに危険は冒せない。排気マフラーが雪に埋まっている可能性があるからだ。布団に入ったままもぞもぞと冷えきった服に着替え、気合い一発起きだした。カーテンの隙間から外を覗くが、窓に張り付いた雪と結露で何も見えない。運転席に移動して靴を履き、ドアノブに手をかけた。

ん、開かない。10cm程開いた所で、ドアがひっかかってしまった。

どうやら恐れていたことが起ってしまったらしい。

ドアの下端よりも高く雪が積もってしまったのだ。以前はオフロード四駆に乗っていたので、最低地上高も高く、ほぼこの心配は無用だったのだが...。ミニバンに乗り換えてしまったので、もしかしてこういう事態に陥る可能性があるかもしれないとは思っていた。とは言ってもミニバンなりの利点もある。それは両側スライドドア。さすがにこれが開かなくなることは滅多にないだろう。それでも開かなくなってしまったら、最悪は窓から脱出することになる。まあ、今回は力を入れて押し開けたら通れる程度までには開いてくれたので、脱出成功。気を良くして一歩踏み出した途端、ぬぼった。

駐車場全面は数十センチの積雪に埋まっていた。雪は膝近くまである。ズボズボとぬぼりながら歩いて車の後ろにまわってみると、マフラーの位置よりもずっと高い所まで積もっている。エンジンかけないで良かった。この時もまだ雪は勢いを緩めることなく降り続いていた。

面白いことに、こんな天候でも他に車中泊車が2台もいたことだ。世の中物好きもいるもんである。

とにかく除雪しなければここから移動できない。オフロード四駆だったら、このままがしがし走破するんだけど。しかも、あの頃はいつでもスコップを持っていたのに、今は持ってないなかった。走破力が劣る上に、装備までいい加減になってしまっている。靴にしても、あの頃はロシニョールの雪用長靴、今回は一応ゴアテックスではあるもののローハイトのスニーカー。せめてスパッツくらい持ってくるべきだった...。

スコップがないから手と足を使い、夜中に除雪車が通過したらしい数メートル先までを、えっちらおっちらと除雪。靴の中雪まみれ、汗だくになりながら小一時間。車一台分の幅で除雪が完了した。手袋はモンベルの冬用グローブだったので冷えなかったが、靴下はずぶ濡れになった。

とりあえず除雪は終わったが、トイレまではさらに数メートル、こんもり積もった雪に阻まれている。これはもうやけくそでラッセル!ラッセル!

「おはようございます」

トイレから戻ると、隣の車からおじさんが出てて声を掛けられた。おじさんの車はデリカ。三菱のオフロードワゴンだ。どうやら、なんの問題もなく出られたらしい。この時はホント、オフロードタイプが羨ましかった。おじさんによると、「毎年この時期来てるけど、こんなの初めてだ」そうだ。

ところで、もう一台の車中泊車、気になりませんか?

確かアルファードみたいなミニバンだったので、こちらと同じような苦労を強いられる筈。7時くらいに出発した時には、まだ寝ているようだった。出発したはいいけれど、どこの駐車場もまだ除雪が済んでなく、写真を撮りながらうろうろした後に戻ってみた。9時を過ぎていたので、除雪車が2台でばりばりと除雪中。にもかかわらず、いまだに寝ているようだった。少しして気になったのでもう一度戻ってみると、除雪はほぼ終了に近かったが、その車中泊車の周りだけすっぽりと雪が残ったまま、まだ寝ているようだ。でも、車の傍まで除雪が済んでいるので、脱出も楽になってそう。なるほどね、その手もありかな。

その後、目的を済ませて昼ぐらいにもう一度戻ってみたら、さすがにもういなくなっていて、きれいに除雪も終わっていた。

【教訓】

今回は気温もある程度低くさらさらの軽い粉雪だったので大きな問題にならなかったが、これが湿った重い雪だったら…。また、寝る前に車の周囲を除雪していなかったら…。雪、甘く見ちゃなんねーべ

やっぱ一番は、豪雪地域で雪中車中泊しようなんて考えないこと。

【本文に出た以外に用意しておきたい装備】

スコップスノーブラシアイススクレーパー解氷剤スノーエスケープ

2006年3月 5日